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生田緑地 ばら苑(2010.10.24)

MIMO system, multiple antennas

MIMOで使われるキーワードを参考文献で学習していきます。内容の確認はしてませんので間違いもあるかと思います。
Multi-Antenna Operation in the Downlink 要求されているマルチアンテナ技術は
・Recieve diversity (受信端末側、基地局側)
・Transmit diversity using SFBC(基地局側)
・MIMO Spatial multiplexing(基地局側、MU-MIMO,SU-MIMO)
・Spatial multiplexing を使ったCyclic Delay Diversity(CDD)基地局側
・Beemsteering(user specific)

いろいろと種類があるようですので、これらをすべて対応していくのですから実現するのは大変そうです。
これらはdownlink(基地局側)で規定されています。実現するにあたってチャネル推定法は別途必要です。

LTE Terminology for Multiple Antennas

言葉の意味を整理しておきます。
Codeword:
  伝送フォーマット変換前(before it is formatted for transmission)のユーザーデータ(user data )。CW0,CW1の様に表わされる。
Layers:
  streamと同義。空間多重MIMOで空間多重送信できる信号系列の単位で、少なくても2Layers以上使われる。
Precoding:
  送信前の信号を変換する。

Precoding for transmit diversity(downlink)

 送信アンテナダイバーシティには
 ・遅延ダイバーシティ(DD)
 ・巡回遅延ダイバーシティ(CDD)
 ・時空間符号化ダイバーシティ(STBC)
 ・空間符号化ダイバーシティ(SFBC)
 
 などがありますが、LTEで規定されているのは、SFBCを用いたダイバーシティです。precoding transmit diversityとして規定されています。
 Larege delay Cyclic Delay Diversityも規定されていますが、CDDのままではなく適切なprecodingして、空間多重として規定しています。

SFBC Diversity Transmission(downlink)

Transmit Diversity SFBC

 2アンテナポートの場合、LTEではSFBCダイバーシティが用いられます。最初のアンテナポートには連続する変調シンボルd(i)とd(i+1)とが互いに隣接するサブキャリアにマッピングされます。第2のアンテナポートには-conj (d(i+1))とconj (d(i))とが同一の隣接サブキャリアで送信されます。ただしconj ()は複素共役を表わします。
 3GPP TS36.211 6.3.3.3及び6.3.4.3でSFBCが定義されています。
 受信方法については例えば参考文献(7)では、最大比合成も組み合わせているようです。

Cyclic Delay Diversity(CDD)

 遅延ダイバーシティはアンテナ間に意図的に遅延を実装し、人工的にマルチパスを発生させる手法です。S/Nが低い場合に有効です。周波数軸上にS/Nがいいところと悪いところができますので、いいところを使うような設計ができれば効果が出ます。
 巡回遅延ダイバーシティはOFDM信号などのブロック単位の送信手法に対して適用でき、遅延ダイバーシティと同様に、受信機に対して人工的な周波数選択性を作ります。OFDM信号の場合、サブキャリア上にMappingされた信号に対して巡回シフトさせます。
 たとえば送信アンテナ数2から1つのCodeword(すなわち同一データ)を送信する場合、送信アンテナ2から送信するデータの各変調シンボルに対してexp(冓)をかけるのです。i=0,1,2,,,変調シンボルの番号です。
 

Codebook based Precoding for spatial multiplexing in the downlink

Precoding Without CDD

閉ループ型空間多重MIMOではprecoding用のcodebookが用意されています。
(閉ループ型:受信端末からprecodingデータを基地局側へフィードバックしてprecodingを行う)
anntena port0,1の場合のcodebook(refer to TS36.211 V9.1.0 table 6.3.4.2.3-1)
レイヤ2の場合は2X2MIMOやLarge delay CDD(index0を使用)に使われる。内容はアダマール直交行列になっていて拡散符号の意味があるようです。
indexlayer number 2
0 (1/sqrt(2))[1,0 ;0,1]
1 (1/2)[1,1 ;1,-1]
2 (1/2)[1,1 ;j,-j]
・使い方はどうなるのでしょうか。
チャネル特性が特定できていれば、どのCode Bookを使えばよいかがわかります。また実際にCodebook index0,1,2を使ってデータを送信して確認するのも手です。
 受信側はZF法(MMSEでも構わないが)を使ってデータを取り出すことができます。

・この重みの意味する処はどうなのでしょうか
index0 はLarge Delay CDDに 使われることを想定されています。単位行列なのでこの重みだけでは何ら影響を与えません。1/sqrt(2)はゲインの調整なのでしょう。

index1は各要素は1または-1であり、かつ1/2倍されているので、この行列を掛けても、元のデータの大きさ以上にはならないように設定されています。この逆行列は[1,1;1,-1]であり、同じ行列の要素になっています。

index2は各要素は1またはj, -jであり、かつ1/2倍されているので、この行列を掛けても、元のデータの大きさ以上にはならない。逆行列は[1,-j ;1 ,j]となる。 この重みを掛けたときに、大きさは元データを超えないで、位相を操作するようになっているようです。

 MIMOと言えばSVD方式が思い浮かぶでしょうが、ここでは使われていません。
またフィードバックに要する時間が問題になりそうであることは推測できると思います。端末の移動速度にフィードバックが追従するのかと疑問になります。(移動速度が速い場合はopen loopでやむなしでしょうか)
 Open Loopの場合は後で示すLarge delay CDDを使うようです。
 Precoding without CDD
  Y=W*X;

で定義されています。

 上記はSU-MIMOを想定しています。SU-MIMOでは端末側で2つのアンテナを用意することになりますから、対応される時期がいつになるか不明です。一方MU-MIMOは各端末のアンテナは1つで実現できますから、アンテナを増やす必要はありませんので、方式が決まることが望まれます。

レイヤ1の場合Beamforming, Beamsteering , MU-MIMOなどに使われています。

Precoding for Large Delay CDD

 Precoding for Large Delay CDD(Cyclic Delay Diversity)はOpen Loopの空間多重方式として規定されています。フィードバックが不要です。
 CDDをそのまま空間多重には使えません。2つのアンテナのうち、1つのアンテナのデータをCyclic delayをさせて空間多重させるとレイヤ間のチャンネル状態がばらついてしまいます。これを避けてチャネル状態の差を均一化させるために、precodingして空間多重に拡張します。以下のようになります。
  precodingの式は
前述の計算のに送信ウェイトD,Uが追加された形です。

 Y=W(i)D(i)UX
ここでは次の値を用いる
 U=(1/sqrt(2))[1 , 1; 1 , exp(-j2π/2)] --これがprecoding
 D(i)=[1 , 0; 0 , exp(-j2πi/2)]として、--これはCDDの式
 ただしjは複素数虚数単位、i=0,1,2,,,変調シンボル番号
 W(i)=(1/sqrt(2))[1 , 0; 0 , 1]--これは単位行列と同等を使うみたいですので
 Dの値を見ると遅延の大きなCDDの形になっていますので、large delay CDDと呼ばれているようです。
 i=0なら
  この時W*D*U=[0.5, 0.5 ; 0.5 ,-0.5]
 i=1なら
  この時W*D*U=[0.5, 0.5 ; -0.5 , 0.5]となるので、データ1とのデータ2が加算または、減算されアンテナ1,2から送信されるprecodingである。
となるので、この値が繰り返されることになる。この意味は、レイヤ間のチャネル状態の差を平均化するためだそうです。
 受信側はMMSEを想定されています。

Beamforming, Beamsteering, DL MU-MIMO

 precoding用codebookを用いた閉ループ空間多重で、レイヤ数1の場合はビームフォーミングを包含している。参考文献1ではこれをBeamsteeringと呼んでいるようなので、ここでは同義語です。
anntena port0,1のcodebook(refer to TS36.211 V9.1.0 table 6.3.4.2.3-1)
レイヤ1の場合はビームフォーミングになる。
indexlayer number 1
0 (1/sqrt(2))[1; 1]
1 (1/sqrt(2))[1; -1]
2 (1/sqrt(2))[1; j]
3 (1/sqrt(2))[1; -j]
   よく言われてる事のように、MIMOとBeamformingはアンテナ設計の点から共存が難しい。というのは、Beamformingは送信信号の相関に頼っているが、MIMOは非相関に頼っている。報告によると偏波アンテナがよいようである。
RANK1(すなわちレイヤ数1)の場合はDown Link MU-MIMO (RANK1)も可能。と言われることがありますが、これはどういう意味なのでしょうか。
 行列AのRANKとは、Aの特異値の数、あるいはAの列ベクトルの線型独立なものの最大個数とも言われます。RANK1とは2X2MIMOの場合、アンテナ1とアンテナ2に関するチャネル特性が同じ(チャネルの相関が高い)という事になります。例えばチャネル行列が[1,2;1,2]の場合RANK=1で逆行列は存在しません。2つの送信アンテナから同一データが送信されると、2つの受信アンテナにも同一データが受信されます。特殊状態の空間多重になりそうです。

 なおレイヤ2の場合Down Link MU-MIMOは はTS36.211 6.3.4.4 Precoding for spatial multiplexing using antenna ports with UE-specific reference signals で定義されているようです。
ここではTS36.211 6.3.3.2 Layer mapping for spatial multiplexingの組み合わせで使われます。
 実際にPrecodingが規定されているのかというと、規定されていないのです(weightが1です)。どのように使うのでしょうか? 参考文献(6)によれば、「コードブックによらない送信ウェイトを用いてビームフォーミングを行う」という記述もありますので、ウェイトに関しては装置依存ということでしょう。
 送信重みとしてZFBF法(Zero Forcing Beem Forming)を使った論文等は見かけます。このまま実現するにはそれぞれの端末からチャネル応答をフィードバックしなければなりません。パフォーマンスロスのため完全フィードバックを嫌がる実システムでは、限定的なフィードバックで済むような改善が必要で、いろいろな提案があります。


 さて、Up Linkはどうなるのでしょうか、論文等ではZF法受信重みなどの提案がありますが、Standardにはなっていないのでしょうか、見当たりません。

ざっと追いかけてみましたが、詳しく理解するにはむずかしそうなので、もっと知りたい方にはすみませんが、この辺で終わりにしておきます。

Downlink Physical Signals

 セルサーチを助けるための同期信号がPSSとSSSである。

 Primary synchronization signals(PSS)
 PSSを検出し同定すると次のことがわかる
 ・PSSからのSSSの位置(オフセット量)
 ・セルIDグループの中のセルID
     
 Secondary synchronization signals(SSS)
   SSSを検出すると、SSSの位置によって次のことがわかる。
 ・フレームタイミング
 ・セルIDグループ
  SSSは168の異なる値をとる

 Reference signals(RS)
 端末はPSS,SSSを同定した後、RSでチャネル推定ができる。その後BCHトランスポートチャネルを復号する。
RSはチャネル推定用信号である。次項に述べる。

Downlink Reference Signals

 4種類あり、このうちどれかが一つのアンテナポートから送信され、最初の3つはチャネル推定用に用いられる。
 これらはlength 31の 複素Gold sequenceで構成されて、Gold sequenceをうまく複素化しているのが特徴だと思えます。
 
cell specific reference signals
 同期検波用チャネル推定に用いる。
MBSFN Reference Signals
 MBSFN用の同期検波用チャネル推定に用いる。
 ここでMBSFN(MBMS単一周波数ネットワーク)というのは、マルチセルのブロードキャスト/マルチキャストサービスの通信のことであって、セル間で時間同期させることができ、あたかも一か所の送信局から信号のように観測されるため、このように呼ばれているようである。OFDMをベースとするLTEでは、サイクリックプレフィックスの範囲内に収まるすべての信号(たとえ複数のセルからの信号であっても)は受信機によって、自動的に受信されるのでMBSFNはOFDM受信機を有するLTEの特長といえる。

UE Specific Reference Signals
 特にノンコードブックにも基づくビームフォーミングが適用される下り供用チャネル(DL_SCH)の同期検波用チャネル推定に用いられる。
Positioning reference signals
 

Synchronization and cellsearch

    基本機能は
 ・セルの周波数検出とシンボル同期
 ・セルのフレーム同期
 ・物理レイヤセルIDの決定
 セルサーチを助ける信号が先に述べた、PSSとSSSである。
 

システム情報 MIBとBCH伝送

 セルサーチの後、端末はセルの「システム情報」を基地局より得ます。すなわち基地局からはシステム情報が常時報知されています。
参考文献5の解説によると、LTE以前のシステム情報の報知方法は、固定長のBCHを用いていたため、効率が悪かったといいます。
 LTEでは、システム情報は2つ(MIBとSIB)に分けられて伝送される。すなわち固定長リソース(BCH)で送信する情報と可変リソース(DL_SCH)で送信する情報とに分割し、セル環境などに応じた柔軟な運用が可能になるようです。
・MIB:マスタ情報ブロック、限られた量のシステム情報はBCHで送られる。
・SIB:システム情報ブロックはDL_SCHで送られる。

 MIB(Master Information Block)の情報は
 (1)下りリンクのセル帯域幅に関する情報
 (2)セルのPHICH帯域に関する情報
 (3)システムフレーム数(SFN)他
 

システム情報ブロック

SIBの主要部分はDL_SCHで送信される。DL_SCHはRB単位で割り当て可能な可変リソースである。
SIB1:
SIB2:
SIB3:
SIB4-SIB8 :

Uplink Physical Signals

Demodulation Reference Signals(DRS)
 PUSCH,PUCCHの同期検波のためのチャネル推定に用いられる。  Zadoff-Chu系列をLTEの上りリンク基準信号系列として適用しようとすると以下に示す2つの問題点がある。
・系列数を素数にできない。
・短い系列長の場合、たとえZadoff-Chu系列長が素数であったとしても、基準信号系列数は少なくなる。

   対応としては⇒「Zadoff-Chu系列の巡回拡張」が使われている。

Sounding Reference Signals(SRS)
   周波数ごとのチャネル品質を推定するために送信される。SRSはDRS同様、素数長のZadoff-Chu系列の巡回拡張により周波数領域の基準信号系列が生成される。

Random Access

 名前の由来は、時間的にRandom,使うタイミングがランダムのようです。
 ランダムアクセスと呼ばれるコネクション設定を端末が要求できる。
ランダムアクセスの目的
 ・無線リンクを確立するための最初のアクセス
 ・無線リンクの再確立
 ・上りリンクの同期を確立する必要のあるハンドオーバ
 ・端末がRRC_CONNECTEDの状態で上りリンクか下りリンクにデータが到着し、上りリンクの同期が確立していない場合に同期を確立する
 ・PUCCHにスケジューリング要求の専用リソースが設定されていない場合にスケジューリング要求を発行する。

Physical Random Acces Channel(PRACH)

Zadoff Chu Sequence

root Zadoff Chu Sequenceと呼ばれる場合がありますが、次の説明があります。
A generated Zadoff Chu sequence that has not been shifted is known as a "root sequence".(Wikipedia)
数式を眺めてみます。系列長がNZCのZadoff-Shu 系列のn番目の要素は
xu(n)=exp{(-j)πun(n+1)/NZC)}  0≦n≦NZC-1
下記のような説明が参考文献(3)にあります。
  
  uは系列長がNZCのZadoff-Shu 系列の番号(Physical root sequence number )でuのとりうる値は系列長に対して素である整数に一致する。すなわちZadoff-Shu 系列の系列数を最大にするためには、Zadoff-Shu 系列の系列長は素数であることが望ましい。
 しかしながら、上りリンク基準信号信号系列の系列長は12の倍数であるため、系列長を素数にできない。

もっと詳しい説明がほしいところですが、このまま進みます。
 そこで考えられたのがZadoff-Chu系列の「巡回拡張」で次のように定義されています。
数式をと思ったのですが、理解が厄介そうなので、説明分に頼りますと、 これを実施すると、「例えば系列長が36より大きい場合の基準信号系列は、基準信号系列長と同じかそれより小さい最大の素数となる系列長ZCのZadoff-Chu系列の「巡回拡張」により定義される。

 (もう少しわかりやすく)例えば、36より小さい最大の素数は31であるため、系列長が36の基準信号系列は系列長が31のZadoff-Chu系列の巡回拡張により生成される。」

(1)Down Link Primary Synchronization Signal の場合
frequency domain Zadoff-Chu Sequenceを使う。

(2)UP Link reference signal sequenceの場合

(3)RACH Preamble sequenceの場合
u=129; Nzc=839;の場合に時間領域、周波数領域で電力が一定とはどういうことか確認してみましょう。下記のように一定であるかとが確認できます
Fig.1-1 時間領域で実数部(real青色)と絶対値(abs 緑色)を表示してます。abs=1になってます。
Fig.1-2 時間領域で虚数(imag青色)と絶対値(abs緑色)を表示してます。absはFig.1-1と同じです。
Fig.2-1 周波数領域での表示です。Fig.1-1をFFTしています。abs(緑色,目立たないので注意)が一定になってます。
Fig.2-2 周波数領域での表示です。Fig.1-2をFFTしています。abs(緑色)が一定になってます。

Zadoff Chu Seq. Time domain

Zadoff Chu Seq. Freq. domain


%計算例
%Zadoff-Chu Sequence系列作成 
u=129;   
Nzc=839;

for n=0:Nzc-1;
    seq(n+1)=exp(-j*(pi*u*n*(n+1))/Nzc);
end
%時間軸で描画
figure(1)
subplot(2,1,1)
x=1:Nzc;
plot(x,real(seq(1:Nzc)),x,abs(seq(1:Nzc)))
grid 'on'
title('Fig.1-1 Zadoff-Chu Sequence u=129,Nzc=839 Time domain Blue=real part,Green=abs') 
%xlabel('sequence length') 

subplot(2,1,2)
x=1:Nzc;
plot(x,imag(seq(1:Nzc)),x,abs(seq(1:Nzc)))
grid 'on'
title('Fig.1-2 Zadoff-Chu Sequence u=129,Nzc=839 Time domain Blue=imag part,Green=abs') 
xlabel('sequence length') 

%周波数軸で描画、系列をfftしています。
FFTSEQ=fft(seq);

figure(2)
subplot(2,1,1)
x=1:Nzc;
plot(x,real(FFTSEQ(1:Nzc)),x,abs(FFTSEQ(1:Nzc)))
grid 'on'
title('Fig.2-1 Zadoff-Chu Sequence u=129,Nzc=839 Frequency domain Blue=real part,Green=abs') 
%xlabel('sequence length') 

subplot(2,1,2)
x=1:Nzc;
plot(x,imag(FFTSEQ(1:Nzc)),x,abs(FFTSEQ(1:Nzc)))
grid 'on'
title('Fig.2-2 Zadoff-Chu Sequence u=129,Nzc=839 Frequency domain Blue=imag part,Green=abs') 
xlabel('sequence length') 
I/Q constellationを書いてみると円になる特徴があります。大きさが一定ということです。
scatterplot(seq,1,0,'b.'); % title('Fig.3 Constellation for Zadoff-Chu Seq.');

Zadoff Chu ConstellationZadoff-Chu


Zadoff-Chu Seq., Detection of the PRACH Preammbles

 そのまま自己相関を取るのではなく、一度周波数領域(FFTして)に変換して、自己相関をとり(Zadoff-Chu系列の周波数領域表現の複素共役を乗じる)、その結果にIFFTを実行するようです。
すると、ルート系列を何回シフトして得られた信号なのか、相関ピークがどの位置に現れるかにより遅延を推定できるようです。

Uplink Control Signaling (Reporting the channel condition),
チャネル状態通知

チャネル状態通知
 CSI(Channel State Information)に反映する3つのIndicator--これらは端末で検出される
 ・CQI: Channel Quality Indicator
 ・RI :Rank Indication: チャネル応答行列の階数
 ・PMI :Precoding Matrix Indicator
 これらは、PUSCH(aperiodically),PUCCH(periodically)で通知される。
 
 端末からのチャネル状態通知に基づいて、ネットワーク(基地局)がスケジューリングを決定する。
 ・MIMOに対してチャネル状態における変化の度合いによりOpen loop あるいはr closed loopかなどを選択する。
 すなわちLow Speed UEsに対して、closed loop MIMO
 High Speed UEsに対して、SFBC diversity or Open loop MIMO
 などの選択を行うみたいですが、規定されているのはチャネル状態の通知方法です。チャネル状態の測定・検出は装置性能によっても異なるものでしょうからユーザー依存なのでしょう。

Channel Quality Indicator (CQI)
下りリンク伝送の推奨変調方式、符号化速度を表わす。
CQI Table(TS36.213 Table 7.2.3-1: 4-bit CQI Table)に定義されている内容は
 CQI Index: 0 to 15(つまり4ビットで表わせる)で次の3つの項目を指定できる。
 ・Modulation: QPSK, 16QAM, 64QAM
 ・Coding rate (x 1024): 78 to 948
 ・Efficiency: 0.1523 to 5.5547

 さて、CQIはどのようにして求めるのでしょうか。参考文献(1)によれば、CQIはノイズと干渉を反映している。すなわちSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の測定を思いつくが、実は、あるエラーレートになるMCS(Modulation and Coding Scheme)の観点でコード化されている。
 
 ということで、SINRを測定してCQI値に換算しているということでしょうか。そして端末はサポート可能なCQI値を報告することになります。

Rank Indicator(RI)
下りリンクに使用すべきレイヤの数を示す。この値は、実際のチャネル応答行列の階数を表わしている。
Precoding Matrix Indicator(PMI)
下りリンク伝送のために使用すべき推奨precoding matrixを表わす。

Scheduling

PF(Proportional Fairness)
(瞬時SINR)/(平均SINR)の大きい順に送信する方法。
PF スケジューリングにおいては,各ユーザがサービスのために選ばれる確率は等しく,ユーザ間の厳密な長期間公平性(long-termfairness) が達成できる方法で多く使われているようです。
 ユーザ端末は均等に選らばれるということで、性能のいい端末も悪い端末も選択の機会は同じであるので、性能のいい端末は、それなりに(高い端末能力で)接続されます。

Appendix

アダマール直交行列
アダマール行列は、行ベクトルが直交基底ベクトルになっていて、行ベクトル同士の内積は0になるようです。 さらに、ユニタリー行列であってかつ、エルミート行列の性質をもつ行列のようです。(参考文献(8))
・ユニタリ行列
  複素転置行列が逆行列と等しい
・エルミート行列
  転置前と転置後が等しい
参考文献(8)には「CDMAでは、このアダマール・ウォルシュ行列の行ベクトル一つ一つを拡散符号と見なして直交変調を行い多重化を実現している」とも書かれています。

参考文献
(1)「LTE and the Evolution to 4G Wireless」2009 Agilent Technologies Publication
(2)3G Evolutionのすべて HSPAモバイルブロードバンド技術とLTE基本技術,2009年,丸善(株)
(3)3G Evolutionのすべて LTEモバイルブロード方式技術,2009年,丸善(株)
(4)
MIMO Transmission Schemes for LTE and HSPA Networks
(5)Panasonic 技報 vol.55 No.1 Apr 2009
(6)「LTE-AdvancedにおけるMIMOおよびセル間協調送受信技術」
(7)Albert Serra Pages "A Long Term Evolution Link Level Simulator"
(8)信号処理の基礎 アダマール変換