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1、石油代替エネルギー・省エネを考える(夏休み自由研究)

  石油代替エネルギーとしては、ソーラー発電、風力発電、地熱発電、または燃料電池などがありまが、ここではペルチェ素子を加熱して発電を調べてみます。手元にペルチェがあるというのと、ガス等で加熱すれば容易かなと思い、発電を試みて見ます。(2008年の夏休み自由研究(中2 大悟君)です。)
また、ペルチの応用として電子冷却(ペルチェ冷蔵庫:2008年の夏休み自由研究 中1 大賀君 )、さらに市販されているエコキュートを調べてみます。

2、熱電発電(ペルチェ発電)

  使用するペルチェモジュールは30mm角(600円程度で購入できる)、通常は電流を2A程度流してΔ40℃程の熱制御ができるものです。市販の熱発電モジュールは高温(300℃以上)でも動作しますが、冷却用のモジュールは150℃以上で半田が融ける危険性があります。
従って温度範囲を氷水とお湯で実験できる温度範囲としました。。。。。期待ほど出力は得られませんでした。
実験の目的
(1)ペルチェの熱発電特性を調べる
(2)文献等を調べ、実験データ、実験方法の妥当性を検討する
(3)市販熱発電モジュールと比較し、特性、構造等の違いを検討する
(4)用途を検討する
(5)他のエネルギーと比較する。
など 調べてみます。
 1、実験方法

熱電発電 熱電発電

  ペルチェサイズ30*30mm
  温度勾配をお湯と氷水で作成
   ペルチェの両面にはシリコンシートを貼り、ヒートシンク、コップとの熱伝導を助けています。
  負荷抵抗(オープンと Ω)
  温度計、電圧計
  実験結果
     温度差50℃で0.5V程度で 温度差を上げていっても、起電圧は頭打ちになりそうです。

熱電発電data

 2、実験データの妥当性
  学習教材ではペルチェ実験器が紹介されています。特性はペルチェ40mmX40mm2枚で、出力1.0〜1.5V 温度差40℃ 推定能力0.1〜0.2Wと記されています。学習教材と比較すると、実験値をペルチェサイズで換算すれば、ペルチェ出力0.46V*1600mm^2/900mm^2*2=1.65Vとなり、 と同じ程度の出力が得られているようです。
 3、市販熱発電モジュールとの比較
 東芝科学館・熱電モジュールのデータを見てみますと、高温側:500℃,低温側:20℃,温度差:480℃で出力15W、最大出力密度は1W/cm^2になるようです。サイズは3.7X3.9cm。
 市販の一般的なモジュールはサイズ2.9X2.9cmで高温側:230℃,低温側:30℃,温度差:200℃で電圧3.3V、電流0.8A、出力2.5W、単位面積当たりの出力0.3W/cm^2が紹介されています。
 さらに高い効率を示す熱電変換材料の開発などが進められ、熱起電力が電子を生成させた通常のチタン酸ストロンチウムの約5倍に上昇し、従来の重金属に対しては約2倍の変換効率を達成し本格的な実用化に大きく前進した報告があります。
   今回の実験は温度差200℃に換算しても5Vしか得られてません。熱電モジュールに比べたら効率が低いようです。
 4、用途
 先ほどの東芝科学館に紹介されている用途で、
 ・自動車排気ガスからの発電
 ・工場排熱からの発電
 などがあります。地熱発電は地熱でタービンを回しているようなので、発電モジュールは使われてないようです。
 5、他のエネルギー
 

3、ペルチェクーラー 超小型冷蔵庫

    ペルチェ1枚(30*30mm)で冷蔵庫を作ってみます。発砲スチロールのクーラーボックス(315円)を購入し、ペルチェを実装します。冷却の能力を調べてみます。
 (1)構成部品
 クーラーボックス、ペルチェ、電源、ヒートシンク、冷却板、冷却部、熱伝導スペーサー(写ってません)、(熱伝導)シリコンシート(ペルチェに付いてます)

 冷蔵庫セット

 (2)最初の失敗
 写真のクーラーボックスは使用したペルチェだけでは全く刃が立ちません。冷却板をきちんと入れないと機能しないかなと思い、冷却板を実装します。冷却板とペルチェの間に冷却部を入れて熱を伝達させます。形状は冷却効率の向上に影響を与えます。また大きすぎるかなと思い、小型クーラーボックスの作成も検討します。
 また、ヒートシンクの位置もクーラーボックスの上側に配置し、熱が逃げるようにしました。
 でも大きいままでは環境温度25℃でペルチェ電流1.6Aで22℃までしか下がりません。
   

 cooler  cooler 

蓋をした状態で、クーラーボックスに温度センサーを差し込んで測定します。22℃までしか下がりませんでした。
  (3)クーラーボックスの大きさ検討
  少し、熱の計算をしてみます。
  空気の熱伝導率は非常に小さく、無風状態で使用しますので、ペルチェの冷却側に冷却板で空気をつつむようにし、冷却したほうがよさそうです。冷却板で空気との接触面を増やします。まずは冷却板の冷却設計になります。
  トランジスタ技術 2007年3月号 259ページを参考に
  冷却板アルミの全表面積S=
  t=断熱材(発砲ウレタン)の厚みで覆われている
  Qsi=周辺から断熱材を通じて流入する単位時間当たりの熱量
  Te=周辺環境温度
  Qsi=周辺から断熱材を通じて流入する単位時間当たりの熱量
  Qsi=(S(Te-Tc))/(0.137+t/λ)
  λ:材料の熱伝導率
  Tc:吸熱面温度
  t=断熱材厚み
  To=冷却前の冷却槽の温度(体積V,比熱C,比重ρ)
  Qτ=CρV(To−Tc)/τ
  Qc=Qsi+Qτ ペルチェモジュールに必要な単位時間あたりの急熱量
  ・冷却設計
  ・ヒートシンク設計
    などど考えては見たのですが、しっくりしないので再度計算しました(2008.12.14)。詳しくはこちら を見てください。
  計算結果は
    ペルチェ温度を0℃とするとアルミ板の表面温度は6.3℃、内部空気温度は14.3℃になります。
    ペルチェ温度を-10℃にすると、アルミ板の温度は-1.1℃、内部空気温度は10.8℃になります。
         
 (4)超小型クーラーボックス 特性評価
 クーラーボックスを超小型にします。すると1℃まで下がりました。電流1.88Aです。超小型クーラーボックスは数ccの容量で、空気層が少なく、冷却部の温度がそのままボックスの温度になりそうです。
   

 cooler  cooler 


 (5)冷却能力の考察
 使用したペルチェ (推定能力)  5Amax 外形3cmX3cm
 最大級熱量38W
 最大温度差 70℃
  1.6A程度では22.4℃ほど温度差ができると推定できるので、今回の実験値1℃は妥当な値です。

4、エコキュート